雪国のできごとから思う自己裁量
立春が過ぎ、関東はよいお天気です。
でもSNSでは実家のある北陸地方の厳しい情報がどんどん入ってきて
見るたびに気持ちが くら~くなります。
金沢は雪国はといえ、そこまでの豪雪地帯ではないので
数十年ぶりの事態に戸惑っているようです。
大きな道は融雪装置がついていたり、除雪車が入ってくれますが
生活道路はそこに面した住民がやるという 暗黙のルールがあります。
実家は9年前に父が他界し、80代の母が一人で暮らしていますが
近隣も高齢化が進んでおり、毎朝の母とのメールでも、大変じゃないかと心配するばかり。

突然ですが、ちょっと前まで「ワークライフバランス」という言葉もよく聞こえてきましたが
知人の人事コンサルは、この言葉が嫌いでした。

「働かされると思うから、バランスが必要になるんだ。ワークもライフの一部と思えば
 そういう感覚にはならないはず」

でも、、、と当時の私は思いました。
その前に、自分に選択する余地があるかどうかって、大事なんじゃないかなあと。
家に帰りたくても、帰れない 残業時間月300時間超の人のカウンセリングをしたことがありますが
無意識で働く感覚だそうです。
今日はちょっと疲れてるから早く帰って体調を整えて、明日がんばろう!とか
奥さんが病気だから、子どもの世話をしようとか
そういう自己裁量権がほぼない状態って、意識の問題だけではないように思いました。
意識で変えられる部分がたくさんあるのはとてもよく理解しているし、お客様にも伝えているけど
それが100%ではないと思います。

さて、私は過去秋田の大曲というところに住んでいましたが
毎年、屋根雪と一階の雪がくっつくぐらいの豪雪地帯でした。
家は除雪車が入らない私道に面し、ご近所は皆単身。
一年目は全て自分でやりましたが、腰を痛めてしまい
これが来年も再来年も?は大変だ~~と思いました。
そこでは、所謂手頃にアウトソーシングができる環境だったので
まだ小さな子ども2人育てている私は頼むことにし、とてもとても助かりました。
毎年が豪雪なので、それに合ったサービスがあったのですね。
【自分が責任を持ってやる】という選択肢しかなかったら
間違いなく体を壊していたでしょう。
おかげでちゃんと子どものお弁当や3食のゴハンを作り、普通に家事をして
家族4人でその土地の冬を過ごすことができました。

ところで金沢の同様なサービスを調べてみましたが、あまり多くないのと
結構な料金でした。。。
ご近所皆80を超えた高齢者ばかりのところで
「自分の家の前は自分たちで」しかほとんど選択肢がないのは厳しいなあと思います。
そういえば、知人の男性同級生数人は、実家からのヘルプでこの三連休戻った人もいたらしい。
実家はまだ兄の家が近いけど、子どもが皆遠くで暮らすことも当たり前のご時世
雪かきの戦力が身近にいない人の選択肢が、これから増えていくことを願います。
同じような意味で働く環境において、企業にも。

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