評価の形 
11月14・15日の二日間、中小企業同友会主催の「全県経営研究集会」に参加してきました。
講演とグループ・ディスカッションという構成です。
私にとって講演はもちろん貴重なインプットの機会でありますが
グループ・ディスカッションは 中小企業の経営者の方々の
生の声を聞くことができる、大切な場です。

二日間を終了し、いくつかの課題が自分の中に残りました。
その1つが、タイトルにある「評価の形」。
「人を評価する」=必ず昇給に反映
とお考えの方が多かったと思います。
私はこれまで、採用や昇進・昇格アセスメントを担当してきましたが
「人材育成」を目的とした評価にも多く携わってきました。
評価とフィードバック専門にやってきたので、自分が教育のためにした評価が
その後、処遇にも反映されていたのかはわかりません。
「人事制度」については専門外なので、ここについてはお話しを控えようと思います。

ところで、評価をどういった形でされると、人は嬉しいでしょうか?
もちろん、昇給などの「お金」に反映されると嬉しいですよね。
それから、「よくやった」とお客様や上司から誉めてもらうことも。
誉められて、お金をもらえたら言うことなしですが
どっちか一つだけだったら、どっちがいいでしょう?

1.信頼関係のある上司が、黙ってぽんとお金を渡した(←後半はあくまでも例えです!)
2.信頼関係のない上司が、黙ってぽんとお金を渡した
3.信頼関係のある上司から、「今は経営難だから今回は昇給させてやれなかったが
 本当によくやってくれた!」と誉められた。
4.信頼関係のない上司から3と同じ言葉で誉められた

という4つのパターン。
4は順位が多分一番低いような…それでも「普段仲が悪いのに、今回認めてくれた!」
と 却って嬉しく思う人もいるかもしれません。
(まあ、常日頃「口だけ」上司だったらそれもないかもですね…)

これも、前回書いた「パーソナリティ」だと思います。
ちなみに自分は、3かな~。
クリスマスプレゼントにほしいものって、皆一緒じゃないですよね。

評価の形とはちょっと離れてしまうけど、以前人材育成のために
「完遂エネルギー」というコンピテンシーの面接をしました。
そこで、最も困難だったことを成し遂げた時の原動力を聞くのですが
「任せてくれた上司に応えたい」
「自分にしかできないプロジェクトだったからなんとしてもやり遂げたかった」
「競合より自社を選んでくれたお客様のために」

などなど、まあ聴こえがよろしくないっていうこともあるだろうけど
「お金」のためというのは、一度も出てきませんでした 笑
それでも自分自身を振り返ってみると、少なくとも私は自分の仕事が好きで、それが原動力だったので、
「お金のため」以外にがんばる人もいると思います。

以前「ストレスとモチベーション」で書きましたが、
周囲はモチベーションを上げようとするより、下げないようにするべきです。
上の3と4では、随分違いますよね。
部下との信頼関係を振り返ってみることも、よいかもしれません。




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